CFDという言葉は聞いたことがあっても、実際どんな投資なのかはよくわからないという方も多いのではないでしょうか。
実はCFDは、少額から始められる上に世界中の様々な資産に投資が可能なとても魅力の多い取引方法です。
今回は、投資家からも支持を得ているCFDの魅力や、実際に投資する上で知っておきたい注意点をまとめました。
CFDとは?CFD取引の仕組みを解説
CFD(Contract for Difference)とは、「差金決済取引」のことを指します。
差金決済取引とは、一言で言えば”差額だけをやり取りする取引”です。
利益が出れば利益分のみを受取り、損失が出たときには損失分のみ支払います。
つまり、CF取引においては実際に資産を保有することはありません。
例えば株式投資の場合は、株式を現金で買って保有し、売却することで売却代金を受取ります。
しかしCFD取引は、資金を預けて売買し、その差金のみを決済する流れとなります。
そして、このとき預ける資金を証拠金と呼び、証拠金を使用した取引のことを「証拠金取引」と言います。
CFD取引は、差金決済取引でもあり、証拠金取引でもあるということですね。
なお、FXも実はCFD取引の1つです。
FXは、通貨取引に特化した差金決済取引にあたりますね。
CFD取引で投資できる資産は?
CFD取引では、幅広い資産に投資ができます。
日本や米国、欧州、中国等の個別株や世界中の株価指数、原油や金などのコモディティ資産等と世界中の金融資産が投資対象です。
これだけ様々な市場で取引が可能ですが、それぞれ異なるプラットフォームを利用する必要はなく、CFD口座1つであらゆる資産に投資ができます。
CFD口座を持っているだけで投資チャンスが多くなると言えますね。
CFD取引には2種類ある
CFD取引には、以下の2種類があります。
- 取引所CFD
- 店頭CFD
取引の管理・運営をどこが行っているかで異なります。
取引所CFDは取引所、店頭CFDはCFD会社が管理・運営をしています。
日本で唯一の取引所CFDが「くりっく株365」であり、「くりっく株365」ではいざという場合のセーフティーネットがしっかり整っています。
例えば、投資家が預けている証拠金はすべて取引所に預けられているため、万が一取扱業者が倒産しても原則全額保護されます。
店頭CFDの場合は、投資家の証拠金の管理の仕方は取扱業者によって異なるため、倒産時に保護されるかどうかも業者によります。
一方店頭CFDは、取引所CFDに比べると取扱銘柄数が極めて多いのが特徴です。
投資したい銘柄があるのであれば、取扱いがあるかどうか事前に確認した上でCFD会社を選びましょう。
CFDの魅力とは?トレーダーにCFD取引が支持される理由
CFD取引の魅力として、以下の4つが挙げられるでしょう。
- 少額から取引できる
- 投資対象が幅広い
- 24時間取引が可能
- 「売り」からも入れる
では、以下でそれぞれについて解説していきます。
少額から取引できる
CFD取引ではレバレッジを効かせられるため、自己資金が多くない方でも始めやすい取引です。
レバレッジとは、預けた資金(証拠金)の何倍もの資金を動かして取引できる仕組みのことです。
CFDは証拠金取引であるため、取引したい金額の何分の一かの証拠金を準備できれば取引が可能です。
レバレッジをかけることで少ない資金で効率的に利益をかせぐことができる点が、CFD取引の魅力の1つです。
CFD取引の場合、レバレッジの最大倍率は対象資産によって異なります。
以下は、日本国内のCFD業者における商品別の最大倍率を表した図です。
ただし、記載しているのは一般的な最大倍率であり、実際の取引にあたっては各業者にてご確認ください。
投資対象が幅広い
先でも触れましたが、CFD取引では世界中の金融資産に投資が出来ます。
1つの取引画面で、日本株や外国株、株価指数、金・原油などの商品をはじめ、様々な銘柄に投資できるのが大きな魅力の1つです。
以下は、CFDで投資できる商品の一部です。
なお、投資できる商品は各業者によっても異なります。
平日24時間取引が可能
平日24時間いつでも取引に参加できるというメリットもあります。
一般的な株式投資では、株式市場が開いている平日9時から15時までの間しか取引できません。
仕事をしている方や慌ただしくしている主婦の方だと、日中に価格動向のチェックや売買注文を行うのは難しいという方も多いでしょう。
しかしCFD取引であれば、投資対象は世界中の金融商品となるため、深夜や早朝でも日本の祝日でも取引ができます。
なお、取引時間は商品によって異なります。
以下は、代表的な商品(銘柄)ごとの取引時間を表した図です。
どんなライフスタイルの方でも市場に参加できるというのが、CFDが投資家に支持される理由の1つとも言えるでしょう。
「売り」からも入れる
CFD取引は、「売り」からトレードを始めることもできます。
実際には資産の受け渡しが発生しない差金決済取引だからこそ、持っていない資産を「売る」ことができるんですね。
売りからトレードを始められることにより、上昇相場・下落相場のいずれでも利益を狙っていくことができるというメリットがあります。
ここまで、CFD取引の4つの魅力をお伝えしてきました。
メリットがとても多いCFD取引ですが、取引をする上で知っておいてほしい注意点もあります。
以下では、CFD取引をする上での注意点をまとめていきます。
CFD取引をする上での4つの注意点
以下が、CFD取引において注意すべき4つの点です。
- レバレッジにより抱えるリスクも大きくなる
- 追加証拠金が必要になる可能性がある
- 利益が出たら確定申告をする必要がある
- 専用のCFD口座を開設する必要がある
レバレッジにより抱えるリスクも大きくなる
CFD取引は、レバレッジにより少ない自己資金で大きな利益を得る可能性がある一方で、それだけ損失額も大きくなるリスクもあります。
ハイレバレッジでのトレードを行う際には、損失額もレバレッジに応じて高くなりうることを念頭に置いておきましょう。
また、基本的には預け入れた資金以上の損失が出ないようにするために、「ロスカット」という制度が設けられています。
しかし、急激な相場変動などによってロスカットが上手く機能せずに、預け入れた資金以上の損失を抱える可能性もあります。
こういったリスクをできる限り軽減するために、損切り注文を事前に入れておくなどのリスク管理を徹底しましょう。
追加証拠金が必要になる可能性がある
含み損が出てしまい、その額が証拠金に対して一定割合に達してしまうと、「追証(おいしょう)」が求められます。
「追証」とは、「追加証拠金」のことです。
求められた額の追証を入金すればトレードを継続できますが、仮に期日まで入金しなかった場合は強制的に決済されます。
この強制決済が先程触れた「ロスカット」です。
追証を入金することで強制決済(損失確定)は免れますが、追証入金後もさらに含み損が膨らんでしまうことも十分考えられます。
含み損が更に膨れ上がり、入金できる資金も底をついてしまった時に強制決済されると、気づけば全資産がなくなっていた、ということにもなりかねません。
最悪の場合、追証を入金するために借金をしていたということも考えられるでしょう。
これもリスク管理能力が求められますが、損切りラインやあくまで余裕資金で行うという自分ルールを事前に決めておくことも重要です。
利益が出たら確定申告をする必要がある
CFD取引により利益を得た場合はもちろん税金を支払う必要があり、原則確定申告が必要となります。
課税方式は、雑所得として申告分離課税が適用され、利益の約20%が納税額です。
申告分離課税とは、他の給与所得などとは分離して税額を計算し、確定申告によって納税する課税方式です。
また、CFD取引は国内FXとの損益通算が可能ですが、投資信託や株式投資とは損益通算できません。
損益通算とは、一定期間内の利益と損失を相殺することができる仕組みです。
損益通算が可能であれば、それぞれの取引での損益を合算することができるため、納税額を減らすことができます。
専用のCFD口座を開設する必要がある
CFD取引を行う場合は、一般の証券口座では取引できず、専用の口座を開設する必要があります。
取扱業者によって扱っている商品(銘柄)や手数料等の条件が異なるため、CFD取引で投資したい商品が決まっているのであれば事前にリサーチのうえ開設しましょう。
まとめ
CFDの仕組みや、魅力、デメリットについて解説してきました。
1つの口座で様々な資産に少額から投資することができる という柔軟性の高い取引ができるため、初心者の方でも選択肢の1つに入れてみてもよいのではないでしょうか。
一方で、レバレッジをかけて少額で取引を始める場合は、資金管理を徹底することが特に重要です。
必ず余裕資金で投資をするようにしていきましょう。